「なあ
「なに」
「最近世の中が腐ってきているのは、みなが自らを過小評価しているせいじゃないか」
「いきなりそんなこと言われても」
「謙遜を美徳とする文化も遥か東の島国にはあるらしい。しかし社会の雰囲気が自信を失くしていく傾向にあるようだ。だから足りないものを満たそうとした奴が凶悪な犯罪を引き起こす」
「いや、あんた賞金首じゃん。治安を乱してる筆頭じゃん」
「例を挙げよう」
「聞けよ」
「“山田、お前が文化委員だ。文化祭のときは頼むぞ”“そんな、無理です!だって僕人前に出るの苦手なんです”こうして山田は文化委員を降りてしまったが、もしかすると山田には天賦のリーダーとしての才が眠っているかもしれないじゃないか。この場合山田は、自分の才能の目覚めを自ら棒に振ってしまったわけだ。これも過小評価から来る自信喪失だと云える」
「山田ってだれ?」
「そして学校の人気者山田君のことが好きなA子は、容姿は並、スタイル・頭脳共に平均点の平凡な女だ。A子はハナから諦めてしまい山田君にアプローチしようともしない。これじゃあ山田君がA子を知ることは失われてしまう。もしかすると山田君はA子の顔がタイプだったかもしれないし、ブス専かもしれないし、デブ専かもしれない。誰にでもチャンスはあるのにA子は自らその可能性を絶ってしまったわけだ」
「山田ばっかじゃん」
「それぞれ別の山田だ」
「ややっこしいわ!!」
「長々と話してきたが、つまりは自信を失いチャンスを逃すのはバカバカしいということだ」
「それで何が言いたいのよ」
「オレがかっこよすぎるからといって、平凡な自分を卑下し遠慮することはない。、オレと付き合ってくれ」
「帰れ」



告白